競争しなければならない集団の中で一番になるのがナンバーワン。オンリーワンは集団のなかで、
それ自身しか持っていないものがあるものを示す言葉として使われている。
バブル時代は常にナンバーワンであることが一番の価値としてとらえられていたが、
成長が鈍化して来ると、「ナンバーワンよりオンリーワン」へと価値観が変わって来た。
でも最近は「選択と集中」が叫ばれているが、選択したものが間違っていると電機業界を例にとると
パナソニックやシャープが失敗の事例である。
唯一成功したのが日立でしょう。
地方銀行は、今「選択と集中」よりグループ化の嵐です。
すべてのキーワードは、「変化に対応」しての生き残りです。
我々会計事務所の平均的な従業員数は5~6名でしょう。
この様な小さな組織ゆえに、個々の事務所の社会の与える影響力は少ないのですが、
自ら事務所が生き残るためにはナンバーワン又はオンリーワン等を考える必要があります。
アメリカ第45代大統領にドナルド・トランプ氏が就任します。就任日が1月20日ですので、
この原稿が出る頃には就任ずみということです。
最近世界で最も影響力のある人物として、プーチン大統領が発表され、
発表時のアメリカ大統領オバマ氏は第3位でした。
トランプ氏の言動をマスコミからの報道により見るに、アメリカの大国としての政治・経済への影響と
彼の個人的資質としての影響力から良い意味でも悪い意味でも、オバマ大統領以上の順位になることでしょう。
原稿を書いているのは就任4日前ですが、日本の新聞紙面は、私の感覚では多いときは1割近くが
トランプ氏に関する記事と感じます。
昨年の言動から就任近くなれば、現実的な路線となるものと思っておりましたが、そうはなりませんでした。
就任後も同じでしょう。
この「まさか」の用語、新年のあいさつでは各方面で使用されています。
今年の流行語大賞の候補が一つ決まりです。
何で?疑問が湧き調べたところ、2012年に尾崎直道プロがマウスピースを装着して失格とされた例がありました。
ゴルフ規定で「・・・携帯品の異常な使用」に抵触するという理由でした。
発端となったのは、尾崎プロがプレー終了後の談笑中に「マウスピースを使うと飛距離が伸びるんだよ」
との一言が「器具を異常に使って飛距離を得ている」と競技委員が判断した結果の話でした。
尾崎プロが「歯のかみ合わせの保護のため」と話していれば、ルールには抵触しないし、マウスピース自体の使用を禁止することはなかったということです。
私のマウスピースの使用理由は、歯のかみ合わせ面が欠けることを歯科医に相談したところ、就寝中の歯ぎしりが原因ということで、ナイトガード(就寝時のマウスピース)の装着をすすめられました。
それでも欠けるので、スポーツ等において歯を食い縛ったときも原因があるのではないかと考え、スポーツ用の
マウスピースを装着しました。従って違反ではありません。
でも確かに強く噛めるので、飛ぶのかな。
庭の美しさは、春夏秋冬それなりに趣があり南北に長い日本においては同じ季節でも
期間的な違いがあります。
毎年この時期は同じことを書くくらい、私の住む地域(茨城県南部)では、
6月の庭の美しさは特筆すべきものがあります。
5月の新緑の若葉から6月はそれぞれ木々の緑が深くなり、雨上がりの朝、
庭を眺めるのを楽しみにしております。
庭の芝生は6月になると芝目が生え揃い、そのやわらかさはジュータンを踏むような感触です。
これが8月になると青さが増し、素足で歩くとチクリチクリと足を刺す固さが出てきます。
この様に庭を鑑賞できるのは農家育ちで、農作物の跡地に庭を造成したからです。
それだけ安い土地に住んでいる証拠でしょう。
一昨年オックスフォード大学が、あと10年で「消える職業」「なくなる仕事」を徹底調査の結果、
「税務申告代行者」と「簿記・会計・監査の事務員」が上げられています。
これはコンピューターの技術革新が凄まじい勢いで進む中で、これまで人間しかできないと思われていた仕事が
ロボットなどの機械に代わられて仕事を失うというものです。
今年になって囲碁界最強の棋士がコンピューターに負けました。
対戦前、この棋士は負けるはずはないと豪語していたのを先日NHK特集で見ました。
コンピューターは「人工知能」を使って自ら考えていき、又コンピューター同士で何千万回の対戦を繰返して、
最良の一手を導き出すということでした。
税理士事務も「人工知能」を使って「会計法規」や「法人税・所得税等の税法」「会社法」等の関係法規を読み込ませることによって、現実の世界となっている「仕訳の自動作成」だけでなく、決算書から申告書までコンピューターが自動作成する時代が来るのでしょうか?
こう考えてくると「なくなる仕事」の中で弁護士業務はありませんでしたが、コンピューターにすべての法律と膨大な判例を読み込ませて、コンピューター同士で戦わせたそのうえで裁判の当事者は判断する世界が来るのか?
しかし簿記・会計の知識による判断業務なくして、仕訳・試算表・決算書の流れを築くことは不可能でしょう。
それでも金融機関は、先を争ってクラウド会計に取り組み、マネーフォワード社やフリー社と提携しています。
優秀な人材の多い金融機関において、金融取引のすべてが自動仕訳可能で、有用な試算表が出来るとは思っていないでしょう。本当の狙いは何なのか?
この原稿を書いている間にも、4月20日に地元茨城県の金融機関の雄である常陽銀行と㈱TKCがフィンテックの共同研究をすることを発表しました。
内容は、月次試算表提供サービス(仮称)と最近業績閲覧サービス(仮称)です。
TKCは6月から開始するフィンテックシステムについて、「TKC方式による自計化ステップアップ研修会」として具体的な運用について研修を始めます。ぜひ、最新の動向に触れて下さい。
元旦は初日の出を見に4~5㎞離れた鹿島灘へ、日中は鹿島神宮へ初詣。
夕方は5時頃より私の兄弟を中心に自宅で新年会。
大人26名、子供13名が大集合で、賑わいというよりうるさい状況です。
一番喜ぶのは91歳の母とお年玉が飛び交う子供達。
二日は、妻の一年間の機嫌取りのために私達夫婦に子供とその連れ合いそして孫総勢17名で、
妻の実家へ新年のあいさつ。
帰宅すると今年は一番素晴らしい出来事がありました。
10歳の孫を筆頭に1歳までの孫及び甥の子、姪の子11名と2回に分けての入浴、
初めは2~3名を入れるつもりでしたが、俺も俺と勢いづいてこの結果です。
高齢者に分類される年になると孫達に相手にされないのはさびしい、これは極上の喜びでした。
三日は、一族2組でのゴルフ。
この楽しい三が日、あと何年続くか!!
2013年の流行語大賞は、昨年12月に公表されており「今でしょ」「おもてなし」「じぇじぇじぇ」「倍返し」の4つが選ばれる、流行語の豊作年でした。
流行語はその時代の友映と言われているが、それ以上に流行語の浸透度の凄さにたまげました。
11月中旬、5才の孫とじゃれ合っておりましたら「じぃ倍返しだぞ」と言われました。
それを聞いていた8才の孫が、滝川クリステルの「お・も・て・な・し」を、手振りをマネてしました。
私はこの瞬間、今年の流行語はこの2つと、春頃流行った「今でしょ」のうちから選出されるとの感じを受けました。
流行語大賞は「現代用語の基礎知識」の出版社が行っており、2013年まで30年間行われておりますが、第一回の1984年には、これほどの浸透度はなかったでしょう。
TVはもちろんインターネット等の媒体の発達のおかげですかね。
新年にちなんで、もう一言。
平安時代からの慣習である「年賀ハガキ」。もらう楽しみがもう1つ増えました。
お年玉付きの年賀状の賞品が現金に変わりました。
毎年当選してもたいした賞品ではないから無視しておりましたら、今年の当選した年賀ハガキは金券となりますので、大事に保管しましょう。
阪神・阪急ホテルに始まったメニューと異なる食材を使う問題がどこまで広がるのか、今や世間の注目の的となっている。
阪神・阪急ホテルがこの問題で騒がれたとき、私なりに他のホテルは大丈夫なのかなと感じておりました。
それから10日もたたずに消費者庁等の行政指導を意識したのか、内部告発を考えたのか、他のホテルも続々公表、またホテルに限らず一流百貨店も公表。
それに対する言い訳のほとんどが「偽装表示」ではなく「誤表示」であると発言。
ある大手ホテルでは「料理を考える調理担当」「それをメニューに表示する宴会担当」「食材を発注する購買担当」に分かれていたためと発言されているが、組織に少しでも関わった方なら、こんなのは言い訳にすぎないことは百も承知しているでしょう。いや世間の常識からしても理解されないであろう。
この文章を作成している時点では、ある程度名の知れたホテルや百貨店が公表しているが、これからも食品会社や、地方のホテル・百貨店にも波及するのではないでしょうか。
「赤信号みんなで渡れば怖くない」で終わりですかね。 「誤表示」・「偽装表示」で、もう一言追加。
我々TKC会員は、毎月お客様を訪問する「巡回監査」を標榜していますが、関東信越会この一年(9月末)の「巡回監査率」の平均が58%。
100%とはいかなくともTKC全国会の目標とする70%には到達したいですね。
「巡回監査」が「誤表示」・「偽装表示」と世間から騒がれる前に。
『小説家をやっていると、しばしば聞かれる。「アイデアはどうやって出すのか」こっちが教えてほしい。
それさえわかれば、借金の取り立て屋のように容赦なく足音高く近づいてくる締め切りに脂汗を流したり、髪の毛を掻きむしったり、逃亡しようとかと半ば本気で考えたり、掲載号が白紙のまま世に出る夢にうなされたりは、しないだろう・・・』
これは、JR東日本の新幹線車中に置かれている「トランヴェール」10月号の巻頭エッセイで萩原浩氏の文章です。このエッセイたかだか1,000文字です。
関信越会の「げんてん」巻頭言は約1,760文字です。
プロの作家は、この位の文章、出張の合間にささっと書いてメールで送信して終わりと認識しておりましたら、アイデアの出ない苦しさがあるとは知りませんでした。
永田前会長からの慣習で、この原稿を毎月書き続けておりますが、原稿の締め切りを過ぎての事務局からの電話は、違う用件でもすべて原稿催促の電話かと思い、酒を飲んで寝ても関局長の顔が原稿用紙となって現われて寝付きも非常に悪くなります。
もう後がないギリギリの締め切りとなり、事務所の総務係から「原稿催促」の連絡がありましたと来たら、今月の掲載は「なし」にしてと、局長に言いたかった時は何度あったことやら。
人一倍の体力と美貌を親からもらったが、成功する会計人の必須要件の1つである「書く力」を与えるのを親は忘れたらしい。
9月8日2020年開催のオリンピックが東京に決定した。
これで経済は確実に上向くでしょう。その経済的効果は3兆円以上と言われています。
失われた20年もようやく終着点を迎えることができます。
安倍首相も消費税を引上げでも景気の後退はないと踏んだのでしょう。
9月11日に予定通り来年4月に8%引上げの意向を示しました。
これから2020年7月のオリンピック開催までの7年間、東京を中心とした日本中が高揚感にあふれるでしょう。
さっそく建設を中心として、オリンピック銘柄はストップ高となっています。
でも、こういう時にはいろいろな情報が乱れ飛びます。東京を中心とした高速道路の整備が急速に進むとか(これは確実でしょう)リニア新幹線が2020年までに一部開業するとか言われ出しました。
これについは、9月12日JR東海の社長が記者会見をし、工期の繰り上げは無理との会見をしました。
この高揚感もオリンピックまででしょう、その反動の沈滞ムードがオリンピック後出現します。
しかしTKC会員としては、ちょうど一年後がTKC全国会設立(2021年8月17日)50周年です。
向こう8年間高揚感を持った活動を目指します!
今月の一言はお休みさせて頂きます。
4月頃かと思いますが、宴会の途中で某研修所長から携帯電話で「7月に栃木でゴルフするので空いていますか」という問い合わせがありました。
私は即座に空いていますと答えると、研修所長が折角だから前日に栃木に宿泊する予定で行きましょう、との案内でした。これが、実はTKC関東信越会が毎年7月に各支部持ち回りで実施している「座禅研修会」出席の依頼だったのです。
「座禅」については、TKC入会以来、飯塚名誉会長をはじめ、様々な先生からお聞きしていました。
座ることが苦手な私はこの手の話は避けて来ましたが、空いていると約束してしまった以上「後の祭り」。
初日3時間半、2日目朝2時間、高橋和尚の「一期一会」の講話を挟みながらの座禅。
座禅の時間は1コマ20分位でした。
座禅の前と後、何か変わったかと聞かれれば何も変わらない。
ただ、座禅の静けさはいいなと感じた程度でした。
これからの座禅修業で成果が出るか?
健康維持の目的で始めたウォーキングが度を越して、東海道五十三次踏破につながり、どうせならと五街道チャレンジしたが、中山道途中で無理がたたり血尿が出て断念。
その後、ある記事に触発されて腕立てを一日一回ずつ増やして1,000回に挑戦したが、昨年900回で止める。
これは、上半身の筋肉の張りが常にあり、肩こりのため週に1~2回マッサージ通い、健康のためにはならず・・・。
現在の健康維持は、週に2~3回出来るときにやる40分程度のジョギングとストレッチ。
人間年を重ねると、心も体も固くなって柔軟性がなくなる。
せめて体だけでも柔軟にしようと誓う!
味の基本は、
砂糖の「甘味」、塩の「塩味」、ミカンの「酸味」、ゴーヤの「苦味」、昆布の「うま味」の5味あるとされています。
唐辛子の「辛味」は味ではなく「刺激」として感じられるものだそうだ。
これらの味を感じるのは、舌の先では甘味、奥では苦みを感じる。
いわゆる味覚地図があると言われていたが、どうもこの分布は間違いで、口の中全体で感じるらしい。
私自身この基本味を理解して研ぎ澄まされた味覚を持っているかと言うと差にあらず。
一品の料理も作ったことのない人間が、本当の味覚を理解出来るわけがない。
しかし、美味しいかどうかは分る。
この頃、この「美味しさ」を味わうのが度を超えて来た。
朝・昼・晩の食事はもちろん、宴会の食事も自分の味覚に合わないものには、箸も付けずに後で1人で別な
ものを食する。
これ、我がまま以外の何ものでもないことは理解しているが、コントロール出来ない。
7月初旬、研修所主催で栃木で「座禅」を組む。
これで変われる?
今回は、TKCでの活動内容を少しご紹介させて頂きます。
昨年後半より、経営革新等支援機関の認定申請を、全会員の60%を目標に活動しています。
中小企業支援委員会を中心に支部長・SCG・関信越会事務局の応援をえながら進めて来ましたが、私が会長を務めております関信越会では、4月末には50%突破する状況で、2人に1人は認定機関です!
この認定申請の活動に隠れて影が薄くなりましたが、平成24~25年にわたって「TKC全国会重点活動」が行われております。地域会別・事務所別に書面添付・継続MAS・FX・巡回監査システム・中小会計要領・経営革新等支援機関認定の項目をポイント制で争っています。 そのポイントによる順位が毎月更新されます。
競争云々よりも、これらをやることにより事務所のレベルは確実に上がります。そのバロメーターの1つになることでしょう。
全国企業防衛制度全国推進会議の翌日、移動したホテルの隣地で「陶器市」が開催されていました。
小物を入れる器や花を飾る器が欲しいと考えていたものですから、早速その「陶器市」を覗いて見ました。
たくさんの器がある中で、どれが「いい」のか「美しい」のか、私には「分からない」。
ソロバン勘定は出来ても絵とか物を「分る」能力が不足しているのだと考えながら、
二点程購入して来ました。
芸術に関する理解が少ないことにコンプレックスを感じながら、帰りの新幹線に乗車し、
なにげなく前席の後部にある雑誌を取り上げると「陶器市」が掲載されておりました。
題名は「初めての陶器市」。その中で、ズバリ私の悩みの解決となる言葉がありました。
それは、柳(やなぎ)宗悦(むねよし)の著作の中に
「どうしたら美しさが分るか」 という一文があり 「(美しさは)『分る、分らぬ』
という言葉で決めるより 『感じるか、感じないか』 で決まるものです」
美しさは、わかろうとして、わかるものではなく、感じるものだと言うことでしょう。
でも感じるためには、常にそういうものに接している必要があります。
1月下旬、茨城南部に大雪。
朝6時過ぎに降り始めた雪が、一時間足らずで10cm以上の積雪です。
自宅から眺めると、庭はもちろん、隣の家の屋根も白一色。
樹々にも雪がまとわり付いている。
太平洋沿岸に近い私の地域では、積もった雪を見るのは年に1~2回、
大袈裟ではなく、10cm以上の雪を自宅で見るのは生涯でも数回です。
この雪化粧の美しさに見とれての朝食は格別でした。
2月初旬、新潟の上越市へ。
新幹線で越後湯沢まで行き「ほくほく線」に乗り換えて車窓から眺める雪は、雪化粧という表現は出来ない。
どうみても雪だけの平原と雪の壁です。
同じ雪ですが、我々の所は観賞の対象になりうるが、雪国では運命として受け入れる対象なのでしょうか。
雪化粧を眺め、雪ダルマを作った分には楽しいのですが、これが出勤などの車の運転となると大変。
我々の地方でスノータイヤを持っているのは、スキーが好きな方くらいでしょう。
従って出勤時間を遅らせるか、おっかなビックリの超ノロノロ運転でかつ道路上は衝突事故が多発。
その点、新潟などの雪国は、日頃の備えが出来ているので、平然と何事もないように運転されています。
新年早々、今年の景気はどうも良くなるのではないかな、という雰囲気が感じられます。
こんな気分になるのは20年振りでしょうか。
景気の先行指標である株価も昨年末から年初にかけて20数パーセントも上昇しており、
百貨店の初売りもこの雰囲気に乗せられて、上向いたそうです。
この風を呼び込んだのは、昨年末の衆議院選挙で大勝して政権を勝取り、
民主党の混迷の政治から経済最優先を打ち出した自民党の安倍政権です。
しかしながら、実際の経済がまだ良くなったわけではありません。
期待感が先行しているだけでして、これが数字に表れて来るのはいつ頃でしょうか。
表れて来たとしても、大企業・中小企業・業種・地域ごとに浸透するスピードの違いがあります。
この風が来年4月からの消費税アップの要件である「経済状況の好転」の材料で
終わらないことを祈ります。
1.再建支援
日本の企業数420万社の99.7%は中小企業と言われています。
この中小企業の活躍なくして日本経済の明るさはありません!
しかし、今や中小企業の業績の落込みは厳しいものがあります。経営不振の中小企業の再建に国は様々な政策を発表して来ました。そのうちの1つに受け皿として「中小企業再生支援協議会」がありました。この受け皿に持ち込まれるのは、中小企業でも比較的規模が大きく又技術的に優れたものを持った企業でした。
我々税理士の主な関与先は、もっともっと小規模な中小企業です。
この小規模な中小企業でも時間稼ぎになったのが、2009年12月に施行された、中小企業金融円滑化法により、金融機関は借入金の元本や利子の一部又は全部の停止に応じるように国から要請があったことです。
これにより、業績不振の中小企業は救われ、水面で息をすることが出来る状態になりました。
この円滑化法は、景気回復までの一時的な手段ですので、2011年3月までが期限とされました。
2. 中小企業金融円滑法の期限
しかし、景気は回復するどころか更に落込み、これが円滑法の期限延長につながり、2012年3月末となり、再延長として2013年3月末までとされました。今年の3月末が期限です。
この原稿を書いている時(12月初)に新聞報道で倒産増加の恐れがあるので、この円滑法の再々延長の話題が出ていましたが、関与先中小企業の実態に触れている私から見ても、この政策は時間稼ぎに過ぎず、不振企業を救うことは出来ないでしょう。
3. 銀行の対応
金融相は円滑法終了後も、従来の姿勢は変わらないと発言しており、銀行の支店長レベルも一様に、
「私共の銀行は円滑法終了後、約定弁済に戻すというような手段はとらず、従来の取扱をします」と言っていますが、あくまでも私見ですが、金融機関は中小企業の再建の厳しさを、実際に再建指導に関わって来て十分にわかり切っているはずです。
本来なら、市場から退出すべき企業にいつまでも取組んでいられないというのが本音ではないでしょうか。
円滑法の延長の時、金融機関の債権者区分における要注意先について、3区分し「事業の持続可能性が見込まれない債権者」については、廃業・債務整理を進めるとの具体策が出ていました。
この線に沿って体力のあるメガバンクから始まって、有力地銀へと経済合理性のある処理が進むと見ております。但し、信金・信組については、金融機関の自己資本の関係から、早急な対応は取れないでしょう。
4. 中小企業経営力強化支援法
円滑法を利用した企業は30~40万社と言われております。
このうち、ある程度の規模の企業について金融機関は、今までに増して再建指導して行くとおもわれます。
金融庁は、転業や廃業等の選択をすべき企業は5~6万社あると見ておりますが、残された25~35万社について円滑法を適用した借入があります。
これについて債権者である銀行がすべて再建支援をするのは物理的に無理があります。
そこで政府は新たな政策を打ち出しました。
それが、去年8月に施行されました「中小企業経営力強化支援法」です。
この支援機関の1つとして我々税理士が選ばれております。
支援機関となるためには「認定申請」が必要ですが、TKCの会員先生方の「認定申請」は年初には3,000人を超すでしょう。最終的には5,000人位になると思われます。
関東信越会も年初には目標とする450人は突破します。 この法律は認定機関となった税理士が中小企業の経営支援をサポートするものです。いままで円滑法適用企業について、再建に関わって来ましたが、どこか再建計画を作成すればそれで終わりとの感じが強く、中小企業の衰退を止めることも変化を促せることも出来なかった。
経営力強化支援法は、その反省から中小企業が自立して行動することを主眼としています。
平成25年を「中小企業自立支援元年」として、中小企業の支援に積極的に参加して行きます!
オレンジ色の箱で、かつて世界を制覇した写真用フィルムの巨人「イーストマン・コダック」は今年1月破産に追い込まれた。
デジタルカメラが登場した頃から、いずれデジカメが主流になることをコダックは見越していたとされており、2010頃には近い将来、従来のフィルムは全くなくなることを社内では確認されていた。
それでも従来のフィルムに固執したのは、十分な利益が出ていたからであったと言われている。
我々税理士も、今は食べていけるかも知れないが、変化のスピードは20年前と較べたら、10年間で変化したものが、2年、いやそれ以上のスピードで変化している。
「税務と会計」で生きて来た世界から“専門化”として、中小企業経営支援の業務を加える方向へ乗り遅れないように、ぜひ経営革新等支援機関への「認定申請」をしよう。
ノーベル賞を受賞した、山中教授が述べていたなかで
「野球では3割打てば大打者ですが、学者の研究は1割成功すれば大成功」
だそうです。
日本経済のなかで、中小企業の再生が課題となっておりますが、本当に再生出来るのは、
2割位ではないでしょうか。
中小企業の経営力を強化するため「中小企業経営力強化支援法」により、支援者として
税理士が選ばれておりますが、支援者となるためには認定申請が必要です。
中小企業支援のため、多数の会員先生の申請をお願いします!
糖尿病の人は病気にかかりやすいらしい。
私自身その糖尿病とお付合いをして、早10年。
8月中旬頃から風邪を引いて、40日を過ぎようとしているが、一向に改善せず。
この期間無理を承知で企業防衛の旅行でクロアチアへ。
そして帰国してすぐに北海道。さらに、税理士会で南米ペルーのマチュピチュ旅行。
遊び過ぎか、年令にかかわるものか、糖尿病から来るものか、風邪との長いお付合い。
風邪を引いていると考えもまとまらず、今月の「一言」はカゼに流して下さい。
晩節とは、人生においてどの時期から言うのであろうか。
晩節に似た言葉として、 晩年・老後・余生 とあるが、これだと何だかお迎えを待つ年代を感じさせる。
最近「晩節を汚す」という話しが身近で色々あるが、この意味から私なりにとらえると
「汚れた行為(評判)を、きれいに洗い流す時間がない年代」と言えますでしょうか。
人によりその年代に違いはあろうが、還暦を過ぎたら、やはり晩節でしょう。
「晩節を汚す」とは、それまで高い評価を受けてきた人が晩年になって失敗し、
それまでの高い評価が台無しになってしまうことだそうです。
税理士は、世間から高い評価を受けているかどうかは別として「晩節を全うしたい」ですね。
完璧な書面添付が出来た、条文をいろいろ考えて、満足する解決策を見出すことが出来た…。
職業会計人としての仕事を通じての喜びは、人それぞれ多大あるでしょうが、
関与先というお客様あっての我々会計人です!
私にとって一番の喜びは、やはりお客様が喜んでくれる、
・適正な節税指導
・予算通りの業績結果
・再建計画が軌道に乗る等 です。
これに加え、先月初めて上場を果す企業が出ました!
数年前から私共の関与は離れていましたが、十数年来の付き合いで、社長は上場を夢見ていました。
役員の1人も私共の元職員であり、今後、資産管理会社を関与させていただきます。
もっともっと事業が成長することを夢見て、私も新規上場株を少々購入。
上記の記事は、TKC関東信越会だより 『 マンスリーレポート by栗林豊 今月の一言 』にも掲載中です☆